
こんにちは、コタエルハウス福祉住環境コーディネーターの野口です。「福祉住環境コーディネーター」と聞くと、「高齢者や介護が必要な人のための資格でしょ? 30代・40代で建てる私たちの家づくりに関係あるの?」と思われるかもしれません。ですが、実は「将来かかるお金(メンテナンス費・改修費・医療介護費)」を最も賢くコントロールできるのは、新築を建てる“今”なのです。
見落としがちな「住宅の生涯コスト(ライフサイクルコスト)」と、限られた予算・土地の中で将来のムダな支出を劇的に減らす「先回り資金術」について詳しく解説します。
「住宅ローン」だけじゃない!家づくりにかかる3つの「住居費」
家を建てる際、多くの方が「坪単価」や「いくら借りられるか(住宅ローン借入額)」に目を奪われがちです。しかし、家づくりの予算を考えるうえで最も重要なのは「生涯でその家にいくら払うか」という視点です。
住宅にかかるお金は、大きく分けて次の3つがあります。
- 初期費用(イニシャルコスト): 土地購入費、建築本体工事費、諸費用
- 維持・光熱費(ランニングコスト): 月々の電気代、外壁・屋根の定期メンテナンス費
- 将来の改修費(アフターコスト): ライフスタイルの変化に伴うリフォーム費、バリアフリー工事費
目先の「①初期費用」を安く抑えても、20年後・30年後に「②維持費」や「③改修費」が爆発的にかかってしまっては、資金計画として大失敗と言わざるを得ません。

今人気の「平屋」を「お金のシミュレーション」で解剖する
例えば、最近子育て世代にも大人気の「平屋」。
これを「将来のお金」という物差しで測ってみると、非常に面白い特徴が見えてきます。
【得するお金の側面】
メンテナンスコストが安い: 10〜15年ごとの外壁塗装や屋根修繕時、2階建てに比べて高額な足場代が節約できます(これだけで1回あたり数万円〜十数万円の差に)。
リフォーム費用が最小限: 階段がないため、老後に「上り下りが辛いから数百万円かけて間取りを変更する」というリスクがほぼゼロです。
【注意が必要なお金の側面】
- 初期費用(建築費・土地代)が高くなりやすい: 同じ延床面積の場合、平屋は基礎や屋根の面積が増えるため建築坪単価が上がります。さらに、十分な広さの平屋を建てるには広大な土地が必要になり、土地の購入予算が跳ね上がります。
- 埼玉県内の利便性の高いエリアや人気の分譲地では、土地の坪単価も高いため、「予算や土地の広さの限界で、平屋を諦めざるを得ない(2階建てにするしかない)」というケースが多々あります。では、土地や予算の関係で平屋を諦める場合、将来の「③改修費」で損をしないためにはどうすれば良いのでしょうか?
土地の狭さ・予算を克服する!将来の改修費をゼロにする「先回り投資」
平屋が建てられず2階建てにする場合でも、新築時に「数百円〜数万円の先回り投資」をしておくことで、将来発生する数百万円単位のリフォーム費用を未然に防ぐことができます。

1. 新築時に「1階完結型」の間取りにしておく(コスト:設計工夫でほぼ0円)
1階に「小さくても将来ベッドが置ける部屋」を確保しておきます。子育て中はキッズスペースや書斎として使い、老後は主寝室にシフト。これだけで、将来「2階に上がれなくなって数百万かけて1階を増改築する」という大きな出費を防げます。
2. 「壁の下地補強」をあらかじめ入れておく(コスト:数千円〜数万円)
将来、トイレや玄関、階段に手すりを付けたくなった際、壁の中に「下地(補強材)」がないと大がかりな壁の解体工事(数万〜十数万円)が必要になります。新築時に主要な壁に下地を入れておくだけで、将来の工事費は「手すり本体代+施工費(数万円)」だけで済みます。
3. 「ドアの形状(引き戸)」と「出入口の幅」を工夫する(コスト:差額数万円〜/工夫次第で最小限)
将来、車椅子や歩行器が必要になった際、後から廊下や部屋の入口を広げる工事は壁の解体や柱の補強が絡むため、数十万〜百万円超の大工事になりがちです。
「それなら廊下全体を広くすればいいのでは?」と思われがちですが、無計画に廊下幅を広げると建築面積(坪数)が増えて建築費用が跳ね上がったり、構造のバランスが崩れて耐震性を保つための余計な施工コストがかかるという落とし穴があります。
そこでおすすめなのが、坪数を増やさずに有効幅を確保する「ドアの工夫」です。
- 開き戸(ドア)ではなく「引き戸」にする、または「ドアなし(ロールスクリーン等)」にする 開き戸は扉を開けたときのデッドスペースが発生し、実際の通過幅(有効幅)が狭くなります。引き戸に変更するだけで、壁を壊さなくても車椅子が通りやすい有効幅を確保できます。
- 出入口のモジュール(尺モジュール・メーターモジュール)を設計時に考慮する 廊下全体を広げるのではなく、車椅子が曲がる箇所のドア位置や向きを設計段階で調整しておくことで、最小限の建築面積・コストで将来の車椅子対応が可能になります。
まとめ:目先の「建築坪単価」に惑わされない家づくりを
家づくりの予算配分で成功するコツは、「今払うお金」と「将来払うお金」の合計額を最小化することです。私たちコタエルハウスでは、お客様の予算と土地の条件に合わせ、「30年後・40年後まで含めて一番得をする資金・間取り計画」をご提案しています。「我が家の予算だと、平屋と2階建てどちらが得?」「将来のリフォーム費用を抑える間取りを知りたい」など、ぜひお気軽にご相談ください!